| |
|
マクロビオティック食とは
玄米を主食、野菜や漬物や乾物などを副食とすることを基本とし、独自の陰陽論を元に食材や調理法のバランスを考える食事法である。
マクロビオティック食の特徴
・玄米玄米や雑穀、全粒粉の小麦製品などを主食とする。
・野菜、穀物、豆類などの農産物、海草類を食べる。
・有機農産物や自然農法による食品が望ましい。
・近隣の地域で収穫された、季節ごとの食べものを食べるのが望ましい。
・砂糖を使用しない。
・甘味は米飴・甘酒・甜菜糖・メープルシロップなどで代用する。
・鰹節や煮干しなど魚の出汁、うま味調味料は使用しない。
・出汁としては、主に昆布や椎茸を用いる。
・なるべく天然由来の食品添加物を用いる。
・塩はにがりを含んだ自然塩を用いる。
・肉類や卵、乳製品は用いない。
・ただし、卵は病気回復に使用する場合もある。
・厳格性を追求しない場合には、白身の魚や、人の手で捕れる程度の小魚は、少量は食べてよいとする場合もある。
・皮や根も捨てずに用いて、一つの食品は丸ごと摂取する。
・食品のアクも取り除かない。
マクロビオティック一日の標準食
・全粒穀物40-60%
・野菜25-30%
・豆および海藻5-10%
・スープ5-10%
<主な食べ物>
1.全粒穀物
<一日の食事の約40〜60%>
玄米を中心にした全粒穀物、麦、粟、ひえ、きび等をいただきます。
全粒穀物は、栄養とバランスの取れた、最も完全な食品なので、主食として
毎食食べると良いでしょう。
粒で炊いた全粒穀物は、粉物・ひきわりにしたもの、プレスして平たくしたもの
よりも消化が良いので、常用に適しています。
その他、そばやうどんなどの麺類、イーストを用いないパン類も入ります。
2.温帯産の野菜
<一日の食事の約25〜30%>
調理された温帯産の野菜をバランスよくいただきます。
・葉菜(白菜、ネギ、大根葉、にら、わけぎ、パセリ、セロリ、レタスなど)
・地上(円形)菜(かぼちゃ、ブロッコリ、キャベツ、玉ねぎなど)
・根菜(大根、人参、ごぼう、蓮根など)
熱帯原産の野菜(トマト、ジャガイモ、ピーマン、ナス等)は温帯で最適な健康を
維持するには適さないもので、極端な性質をもっており、なるべく避けます。
缶詰野菜・冷凍野菜は化学薬品を使って加工されているので、避けたほうがいいでしょう。
旬の野菜で地元で生産されたものの中から選んで食べるようにします。
3.豆(豆製品)・海草
<一日の食事の約5〜10%>
・大豆、小豆、レンズ豆、豆腐、納豆、テンペなど
・わかめ、あらめ、海苔、昆布、ひじきなど
豆・豆製品は、同じ量の肉・乳製品に比べて2倍のたんぱく質があり、肉・乳製品の脂肪が
飽和脂肪であるのに対し、豆にはコレステロールは全く含まれていません。
さらに豆・豆製品はカルシウムが豊富です。
海藻は他のどの食品よりも、ミネラルの割合が高いです。
4.スープ
<一日の食事の約5〜10%>
スープを一日1〜2杯いただきます。
スープ・汁物は特に消化がよく、食事の最初に飲むと、胃と消化器官が機能しやすくなります。
海藻と野菜を入れた軽めの味付けの味噌汁を、毎日飲むことをお勧めします。
天然の味噌は、生きた酵素を含み、消化を助けます。
また血液を強化し、複合炭水化物・必須油脂・たんぱく質・ビタミン・ミネラルを絶妙なバランスで提供してくれます。
<補助的に摂る食品>
1.魚介類
新鮮で脂肪の少ない白身魚をいただきます。
・鯛、平目、かれい、コイ、マス、鱸など
週に1〜2回程度食べてもよいでしょう。
白身魚は、青魚・赤身魚と比べると、飽和脂肪が少なくて酸化しにくく、消化が良いので
時々食べる魚としてお勧めします。
イクラ・すじこ・たらこ・かずのこなどの魚の卵、かつおぶし、青魚の干物、煮干・ちりめんじゃこなどの
干した小魚、かまぼこ。竹輪・はんぺん・さつま揚げなどの水産練り製品は、できるだけ避けるようにします。
魚とバランスを取り、脂肪を溶かして中和させるために、大根おろし・レモンなどの薬味・つけ合わせを添える
と良いでしょう。
シーフードは月1〜2回程度で、エビ・カニなどコレステロールと脂肪の多いものよりも、
カキ・アサリ・シジミ・ハマグリなどの貝類のように脂肪の少ないものを選ぶようにしましょう。
2.果物
熱帯産のものは避け、温帯産で地元でとれた季節のものをいただきます。
果物に含まれる主な炭水化物である果糖は、単糖類です。
穀物・野菜に含まれる多糖類とは異なり、急速に血流に入ります。
果物は、週3〜4回程度食べてもよいでしょう。
火を通した果物、ドライフルーツの方が、生の果物よりも良いのですが、新鮮な季節の果物を
時々少し食べてもかまいません。
3.漬物
主食となる料理を補うものとして、漬物を毎日少量食べるようにします。
漬物は、酵素・乳酸菌が豊富で、食欲を刺激して消化を助けてくれます。
有益な腸内細菌を体内に取り込むことができて、素晴らしい整腸作用があります。
強い香辛料・砂糖・人工酢・化学物質入りの漬物は、健康改善のためになるべく避ける
ようにします。
4.種子とナッツ
種子とナッツは、薬味・つけ合わせとして、ソース・ドレッシングのベースとして、間食・おやつ
として、時々食べることができます。
しかし、種子とナッツは脂肪とたんぱく質が多く、複合炭水化物が少ないので、全粒穀物のように
バランスは取れていません。従って、少量摂るようにします。
ただし、栗は穀物に近い食品です。
種子とナッツは、できるだけ無農薬・有機栽培の加工されていないものを買うようにしましょう。
5.調味料
・自然塩、天然醸造の純正醤油、味噌、圧搾製法のごま油、なたね油など
塩は世界中で最もよく使われており、塩の質と使用量が、個人・家族・共同体・文化の生命・生活を
大きく左右します。高品質の未精製自然塩は、微妙ミネラル・微量元素を含み、適切な量であれば、代謝を
円滑にし、安定したエネルギーと活力を与え、頭脳を明晰にして集中力をつける働きがあります。
普通の食卓塩は、99.5%が塩化ナトリウムであり、工業的・化学的に作られたものです。
健康改善のため食卓塩は避けるようにします。
醤油は、無農薬有機大豆と小麦・良質の水・自然塩を材料にして、昔ながらの製法で杉樽で2〜3年天然醸造
したものがお勧めです。今の市販の醤油は、脱脂大豆・農薬と化学肥料で栽培された小麦・水道水・精製塩で
作られていて、化学調味料・カラメル・砂糖・アルコール・添加物・保存料がたいてい入っています。
化学調味料・熱帯産のカレー・スパイスなどの香辛料、味と匂いの強い調味料は避けるようにします。
6.ふりかけ・常備菜・薬味・つけ合せ
・ごま塩、鉄火味噌、梅干、青海苔、ゆかり、わかめふりかけなど
・万能ねぎ・パセリなど
ふりかけ・常備菜は、調理した後に、料理に味と栄養(特にミネラル)を加えるものがほとんどです。
ふりかけ・常備菜が料理のエネルギーと栄養を擬縮するものであるのに対し、薬味・つけ合せは料理を軽くするものです。
ふりかけの中では、ごま塩が特に栄養があります。
7.ナチュナルデザート
いろいろなナチュナルデザートを、週3〜4回食べることができます。
穀物・粉・野菜・種子・ナッツ・果物などのシンプルな一物全体の材料を
穀物飴・甘酒・未精製てんさい糖・ドライフルーツなどの自然な甘味料で味付けします。
白砂糖・バター・マーガリン・ショートニング・牛乳・乳製品などの含まれるデザートは避けたほうがよいでしょう。
8.間食・おやつ
間食・おやつは、お腹が空いた時に、いつでも食べることができます。
しかし、寝る前と夜間は食べないほうがよいでしょう。
おにぎり・自家製寿司・玄米もち・麺類・残り物・甘栗・蒸した天然酵母の全粒粉パンなど
消化の良いものを、日常の間食・おやつにするとよいでしょう。
健康改善のため、精製甘味料(白砂糖など)・蜂蜜・チョコレート・熱帯産の果物と香辛料、質の悪い油を使ったもの
は避けるのが一番です。
9.飲み物
ミネラル分の多い良質の水、刺激が少ない、三年番茶・茎茶・麦茶・番茶などを常飲します。
冷たい飲み物・氷の入った飲み物は避けるようにします。
フルーツジュースの中では、りんごジュースが最もバランス良く、時々飲んでもよいでしょう。
他の温帯の果物のジュースもたまに飲んでもかまいません。
濃縮還元で香料の含まれたフルーツジュースは、人工的に味付けされたものなのでお勧めしません。
健康改善のため、市販の飲み物はできるだけ避けるようにします。
※上記は温帯気候における標準食のケースです。
|
|